プロポリス研究所

プロポリスは何から集める?

ミツバチの巣箱では、粘着力のあるヤニ状の固形物がよく観察されます。これがプロポリスです。ミツバチが新芽や蕾、樹皮などを巡り樹脂を集めて巣に持ち帰り、唾液に含まれる酵素と混ぜ合わせて作ったものです。ミツバチがプロポリスを作るために集める新芽や樹脂のもととなる樹木のことを起源植物といいます。起源植物によってプロポリスの有効成分が変わるのです。

プロポリスの起源植物と産物の関係

プロポリスと起源植物には密接な関わりがあります。プロポリスと同様にミツバチの産物であるローヤルゼリーは、ミツバチの体内で分泌される物であるため、環境や起源植物による成分の変化はほとんどないとされています。
しかし、プロポリスの場合は植物が生み出す代謝物質とミツバチの持つ酵素の混合物です。そのため、プロポリスの成分や効用を知るには必然的に起源植物の成分と効用に行き着くことになります。さらに、産地が違うと起源となる植物も違ってくるためプロポリスの構成成分も異なります。当然、成分組成にもバラツキがあり、有効成分や効能が大きく違ってくることは明白です。

起源植物によって期待できる効果が異なる

プロポリスの起源植物の種類として代表的なものはポプラとユーカリ、アレクリンです。その他にも松、柳、白樺、アメリカヒルギ、コショウボクなどあります。さらに、日本ではほぼ聞くことのないバルバティモン・ヴェルダデイロやマサランヅーバといった花もあります。
ポプラや松は世界中に広く生育していますが、同じポプラや松でも地域によって種類が違います。ゆえにプロポリスは産地の数だけ種類があるといえるでしょう。

起源植物が「ポプラ」のプロポリス

起源植物がポプラであるプロポリスは、ヨーロッパ、アルゼンチン、ウルグアイ、中国産などです。天然フラボノイドの含有量が最も高いのがポプラ系プロポリスです。抗酸化作⽤・免疫⼒の増進・ストレス緩和・がん抑制・抗アレルギー作⽤・血液サラサラ効果などのさまざまな効果が認められています。 特にポプラ系プロポリスの抗酸化作用は優れており、身体の酸化を抑え老化を防ぐためアンチエイジング効果が期待されています。

起源植物が「ユーカリ」のプロポリス

起源植物がユーカリであるのは、南米、ブラジル、オーストラリア産プロポリスなどです。ユーカリは主にオーストラリアで広く分布しており、種類は500以上ともいわれています。オーストラリアの先住民は、古くから傷を治すために葉を利用していました。現代でもユーカリには殺菌・抗菌作用や鎮痛作用があることが医学的に証明されています。そのためユーカリを起源植物とするプロポリスにも同様の効果があるとされています。

起源植物が「アレクリン」のプロポリス

アレクリン(学名: バッカリス・ドゥラクンクリフォリア)は、ブラジルのミナス・ジェライス州のみに自生するローズマリーに似た植物です。アレクリンが起源植物のプロポリスはアレクリン由来の特有成分である桂皮酸誘導体「アルテピリンC」を豊富に含みます。異常細胞の増殖を抑制する作用や免疫機能を活性化させて健康を根本的からケアしてくれる効果があります。このアレクリンプロポリスはブラジル産プロポリスの最高級品とされています。また、濃緑色をしているので別名「グリーン・プロポリス」とも呼ばれています。

起源植物が「オオバギ」の沖縄産プロポリス

日本のミツバチはプロポリスを作らないと考えられていました。しかし、近年では沖縄産のプロポリスが非常に高い抗酸化活性をもち、国内外のどの地域のものとも違う特異な成分を含むことが明らかになりました。研究の結果、沖縄産プロポリスの起源植物は、トウダイグサ科の常緑樹木オオバギであると特定されされました。、このプロポリスの有効成分はプレニルフラボノイドであり、高い抗菌活性と抗ガン活性があるのではないかと考えられています。さらなる効果の解明が期待されます。

ミツバチは本能で起源植物を選ぶ

このようにプロポリスの起源植物には豊富な種類があります。しかし、全てのプロポリスで解明されているというわけではなく、まだ未知のものも多く存在します。
植物は寒冷地、熱帯雨林、温暖な地域などさまざまな異なる自然環境の中で生き抜く強い力を持っています。ミツバチはその力を本能的に察知して、膨大な数の植物から自分たちの⾃然環境に適した樹⽊を選択し、プロポリスの起源植物として利用することで巣を守っているのです。

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