プロポリス研究所

国産のプロポリスはどれくらいあるの?

日本で売られているプロポリスは、ブラジル産やオーストラリア産など海外のものばかりです。国産のプロポリスはほとんど見かけることはありません。日本で採取されるプロポリスはほんのわずかな量です。

日本産プロポリスは少ない

日本で採取される国産プロポリスはごくわずかです。主に研究用に使用されるため、市場にはほとんど流通していません。日本で商品化されているほとんどのプロポリス製品は、海外から輸入したプロポリスの塊を国内で加工して作られています。つまり、原料から加工まで100%国産のプロポリスはほぼ存在しません。

日本で本格的にプロポリスが研究され始めたのは、1985年に名古屋で開催された「国際養蜂会議」以降です。日本においてプロポリスの研究は日が浅く、効果効能についても未知の部分が多いのが現状です。

日本産プロポリスが少ない理由

日本でのプロポリス採取量が少ない理由は、ニホンミツバチの持つ習性とミツバチが暮らす日本という国の環境にあります。

ニホンミツバチはプロポリスを作らない

プロポリスを作るセイヨウミツバチは、巣をプロポリスで補修や補強しながら同じ巣を何世代にも渡って使い続ける習性があります。しかし、ニホンミツバチは巣への執着がなく、巣の中や周囲の環境が悪いとすぐに巣を放棄して逃亡してしまいます。そのため、巣の補強のためにプロポリスを作る必要がないのです。

また、ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べ病気に強いという特徴もあります。プロポリスを使って巣の中を無菌状態にする必要もありません。

日本の環境はプロポリスを必要としない

セイヨウミツバチは、巣の中に侵入した雑菌が繁殖するのを防ぐために殺菌・抗菌効果のあるプロポリスを活用します。ところが、日本の気候は比較的温暖で有害菌も少なく、ニホンミツバチは巣を守るためのプロポリスを必要としません。さらに、日本にはプロポリスの主要成分であるフラボノイドなどの有効成分をもつ植物があまり自生していません。たとえ作ったとしても、含まれる有効成分は少なく、ブラジル産のように強力な殺菌・抗菌作用を持つとは考えられません。

プロポリスを作る環境が整っていない

プロポリスの主要生産国であるブラジルは広大な国土があり、人間の手が付けられていない大自然が広がっています。これに対して日本の国土はあまりに狭く、ミツバチがプロポリスを作るには限りがあります。さらに、排気ガスや農薬などが自生植物に悪影響を及ぼしていることも懸念されています。

沖縄のミツバチはプロポリスを作る

ニホンミツバチはプロポリスを作りませんが、じつは沖縄に生息しているセイヨウミツバチはプロポリスを作ります。沖縄産のプロポリスは生産量も少量で取り扱う販売店も少数です。非常に高値で取引されているため、手に入れることは難しいでしょう。しかし、沖縄産プロポリスは非常に強い抗酸化作用を持ち、外国産のプロポリスには見られない成分も含まれています。

沖縄産プロポリスの起源植物

沖縄で生産されるプロポリスは、トウダイグサ科のオオバギという植物を原料としています。ミツバチは実ったばかりのオオバギの新芽や実をかじって巣に持ち帰り、プロポリスを作りだします。

オオバギの葉には、ニキビの原因となる菌や虫歯菌などに対して抗菌活性が認められたという研究結果が発表されています。さらに、オバギの果実や葉には後述の特殊なフラボノイドが多く含まれています。

そのため、オオバギを起源植物とする沖縄産プロポリスは、優れた抗酸化作用や抗菌作用があると考えられます。

沖縄産プロポリスの特異成分

沖縄産プロポリスを構成する成分は、アレクリン系やポプラ系プロポリスの構成成分と全く異なります。代表的なものが、「プレニルフラボノイド」という化合物です。これは、他のプロポリスには見られないフラボノイド群です。このプレニルフラボノイドこそが、沖縄産プロポリスの強い抗酸化力や抗菌作用に関係していると考えられています。

今後も日本産プロポリスの生産量増加は厳しい

ごくわずかな量しか生産されないプロポリスですが、今後も採算量を増加させるのは難しいようです。その理由として、良質のプロポリスを採取するためには森林の管理が必要なこと、養蜂家の高齢化が進み後継者も減少傾向にあること、ミツバチの食料となる植物が減少していることなどが挙げられます。こういった厳しい事情の中で次世代の養蜂の担い手が不足し、養蜂自体を廃業せざるを得ない現状があります。

国産プロポリスの生産量を増加するためには、まずは養蜂業の厳しい実態を改善することが目標となります。

希少価値の高い日本産

日本はプロポリスの採取に適している環境ではありません。日本で流通しているプロポリスのほとんどは海外から輸入したもので、日本で採取され製造されているプロポリス製品は稀です。日本産のプロポリスで特に高品質なものは沖縄産プロポリスです。外国産のプロポリスには無い特徴を持っているので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。


[出典]
産地と抽出法とプロポリス
http://eviennahotels.com/sanntitokyusyutu.html
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